職務経歴書でやりがちなNGと改善例
「何度書き直しても書類選考が通らない」「添削してもらったのに手応えがない」——そんな悩みを持つ転職者の書類を見ると、同じようなNGパターンが繰り返されていることがよくあります。
採用担当者は毎日多数の書類を読んでいます。その視点から見た「惜しい書類」には共通点があります。この記事では、職務経歴書でやりがちなNGを10パターン取り上げ、それぞれの改善例をビフォーアフター形式で解説します。
NG①:業務内容が抽象的で具体性がない
ビフォー(NG)
【担当業務】
・営業業務全般
・顧客対応
・書類作成
アフター(改善例)
【担当業務】
・中小企業(製造業・物流業)向けクラウドERPの新規開拓営業(首都圏エリア担当)
・月40〜50件の架電・訪問アポイントを実施し、提案・デモ・クロージングまで一貫対応
・既存顧客への追加提案(アップセル)と解約防止フォロー
・提案書・見積書の作成(Salesforce、Excel使用)
「営業業務全般」では、何の・誰への・どんな仕事かが一切伝わりません。業種・対象・手段・ツールまで書くことで、採用担当者がイメージを持てます。
NG②:実績に数字がない
ビフォー(NG)
【実績・成果】
・売上向上に貢献した
・顧客満足度を改善した
・業務効率化を推進した
アフター(改善例)
【実績・成果】
・年間新規契約数:42件(チーム平均25件、個人目標比140%)
・担当顧客の継続率:91%(部門平均74%)
・提案書テンプレートを整備し、作成時間を1件あたり3時間→45分に短縮
「貢献した」「改善した」は誰でも書けます。「どのくらい」という数字があってはじめて説得力が生まれます。正確な数字が不明な場合は「約〇件」「前年比約120%」で構いません。
BUSINESS INSIDER JAPANによれば、高収入を得ている職種ほど「成果を数値で示せる人材」の需要が高い傾向があります。書類での数字表現はその第一歩です(出典:BUSINESS INSIDER JAPAN)。
NG③:職務要約が長すぎる・詰め込みすぎ
ビフォー(NG)
【職務要約】
私は2005年に〇〇大学を卒業後、株式会社〇〇に入社し、営業部門に配属されました。
そこで5年間、様々な顧客に対して製品の提案を行い、その後マネージャーとして
チームを率いました。2015年に転職し、現職では…(300字以上続く)
アフター(改善例)
【職務要約】
IT系SaaSの法人営業を12年間担当(新規開拓〜マネジメントまで一貫して経験)。
担当エリアの新規契約数を3年連続で前年比120%超を達成し、後半5年はチームリーダーとして
5名のメンバーを指導。現在は営業企画も兼務し、KPI設計・施策立案を担当しています。(145字)
職務要約は「採用担当者が30秒で読める量」が最適です。100〜200字に絞りましょう。
NG④:全社に同じ書類を送っている
NG状態の特徴
- 「貴社の〇〇という事業」が空欄のまま
- 自己PRや志望動機が汎用的な表現のみ
- 応募職種と書類の強みが合っていない
改善策
少なくとも「職務要約の最終文」「自己PRの最後の段落」「志望動機」は応募先ごとにカスタマイズします。同じ職種でも企業の規模・業種・フェーズが違えば、強調すべき点が変わります。
NG⑤:フォントやレイアウトが統一されていない
ビフォー(NG)の状態
- 見出しがMS明朝、本文がHGゴシック、表がメイリオと混在
- 行間がバラバラで読みにくい
- 余白が狭すぎて文字が詰まっている
アフター(改善例)の状態
- フォントは本文:游明朝 or メイリオ 10.5pt で統一
- 見出しはフォントサイズを11〜12ptに、太字で区別
- 余白は上下左右25mm前後
- 箇条書きの字下げを統一
「中身が良くてもレイアウトで損する」書類は実在します。読みやすさは内容と同じくらい重要です。
NG⑥:転職理由がネガティブな表現のまま
ビフォー(NG)
【退職理由】
残業が多く、職場の人間関係も悪かったため退職しました。
給与も低く、将来性を感じられませんでした。
アフター(改善例)
【退職理由】
入社当初から目標としていた法人向けのコンサルティング営業にチャレンジしたいと
考えるようになり、より大規模な案件を扱える環境を求めて転職を決意しました。
職務経歴書に退職理由を書く場合(書かないケースも多い)、必ずポジティブな理由に転換します。「逃げ」ではなく「次のステップへ向かう」姿勢を示しましょう。
NG⑦:誤字脱字・表記ゆれがある
よくある誤り
| NG | 正しい表記 |
|---|---|
| 貴社・弊社の混用 | 書き手は「弊社(自社)」「御社/貴社(相手社)」。書類では「貴社」を使用 |
| 「〜と思います」 | 書類では「〜と考えております」が適切 |
| 西暦・和暦の混在 | 全体で統一する(どちらでも可) |
| 数字:全角と半角の混在 | 半角数字で統一 |
| 会社名のカジュアルな略称 | 正式名称(「〇〇株式会社」) |
NG⑧:スキル欄が「見栄え重視」で実態と乖離
ビフォー(NG)
【スキル】
・Word・Excel・PowerPoint(上級)
・Python、SQL
・英語(ビジネスレベル)
アフター(改善例)
【スキル】
・Word:報告書・議事録作成(日常業務で毎日使用)
・Excel:VLOOKUP・ピボットテーブル・条件付き書式(集計・分析に活用)
・PowerPoint:提案書・プレゼン資料作成(月3〜5件)
・Python:統計学の独学中(現在学習段階、実務未使用)
・英語:英文メール読み書き可能(TOEIC 680点)
スキルは「実際に使えるレベル」を正直に書きます。面接で確認されたとき、実態と乖離していると信頼を大きく損ないます。
NG⑨:3枚以上の長すぎる書類
経歴が長い方ほど「すべて書かなければ」という心理が働きますが、職務経歴書はA4・2枚以内が鉄則です。
圧縮のコツ
- 10年以上前の職歴は簡略化(担当業務の箇条書き3つ程度)
- 直近2〜3社の職歴を重点的に書く
- 同じような業務の繰り返しは「〇〇業務を継続して担当」とまとめる
NG⑩:自己PRが「自分の話」だけで終わっている
ビフォー(NG)
【自己PR】
私は向上心が高く、常に自己研鑽を怠りません。前職では目標達成のために
毎日遅くまで残って仕事に取り組みました。このような姿勢で次の会社でも
頑張りたいと思います。
アフター(改善例)
【自己PR】
私の強みは「顧客の課題を素早く言語化し、最適な提案に落とし込む力」です。
前職では月30件の訪問ヒアリングを通じて顧客ニーズを深掘りし、
課題解決型の提案書を作成してきました。その結果、担当顧客の受注率が
部門平均の1.4倍を維持しています。
貴社の〇〇領域においても、同様のアプローチで新規顧客の開拓に貢献いたします。
自己PRは「強み+裏付けエピソード+志望先での活かし方」の3点セットで書くのが基本です。
NGと改善のまとめ表
| NG | 改善ポイント |
|---|---|
| 業務内容が抽象的 | 業種・対象・ツール・手段を具体化 |
| 実績に数字がない | 件数・率・金額・時間で定量化 |
| 職務要約が長い | 100〜200字に凝縮 |
| 使い回し書類 | 要約・自己PR・志望動機はカスタマイズ |
| レイアウト乱れ | フォント・余白・行間を統一 |
| ネガティブな退職理由 | ポジティブな表現に転換 |
| 誤字脱字・表記ゆれ | 声読み確認・第三者レビュー |
| スキルの誇張 | 実態に即した記載と補足説明 |
| 3枚以上の長さ | A4・2枚に圧縮 |
| 自己PRが自分本位 | 志望先での活かし方まで書く |
職務経歴書 NG改善チェックリスト
- 業務内容に「誰への・何の・どんな規模」が書かれているか
- 実績に数字が1つ以上入っているか
- 職務要約が200字以内に収まっているか
- 応募先に合わせてカスタマイズされているか
- フォント・余白・行間が統一されているか
- 退職理由(書く場合)がポジティブな表現になっているか
- 誤字脱字・表記ゆれがないか
- スキルが実態に即して記載されているか
- 全体でA4・2枚以内に収まっているか
- 自己PRに「志望先での活かし方」が書かれているか
まとめ
職務経歴書のNGパターンは、実は知っていれば避けられるものばかりです。大切なのは「採用担当者目線で読む」習慣をつけること。書いた後に「初めてこの書類を見た人が、私のことをどう理解するか」を想像してみてください。
今回の改善例とチェックリストを使って、一度自分の書類を見直してみましょう。書類の質が上がれば、書類選考の通過率は確実に変わります。
出典:BUSINESS INSIDER JAPAN「学士号を必要としない高収入の仕事トップ25 [2026年版]」(2026年)



