志望動機の書き方(応募書類編)

転職活動で多くの人が頭を抱えるのが「志望動機の書き方」です。「なぜ前の会社を辞めたいのか」は言いやすくても、「なぜその会社に入りたいのか」を言葉にするのは案外難しいものです。

この記事では、転職活動の応募書類に書く志望動機の作り方を、構成テンプレートと業種別の文例を交えて解説します。採用担当者に「この人はウチのことをきちんと考えている」と感じてもらえる志望動機を目指しましょう。


志望動機で採用担当者が知りたいこと

採用担当者が志望動機を読むとき、心の中にある問いは主に3つです。

  1. なぜ今の会社を辞めるのか(退職理由と一致しているか)
  2. なぜうちの会社なのか(他社でもいいはずなのに、なぜ?)
  3. 入社後に活躍できるか(言葉と実力が伴っているか)

この3つに答えられる志望動機が、「刺さる」書類になります。

職場でのコミュニケーションを研究した結果、「自分の視点だけで話す人」より「相手の立場を理解した上で話す人」の方が圧倒的に信頼を得やすいことが分かっています。志望動機も同様で、「私はこうしたい」だけでなく「貴社の〇〇に貢献できる」という相手視点が重要です(出典:ダイヤモンド・オンライン)。


志望動機の基本構成

推奨する3ステップ構成

ステップ内容文字数目安
① きっかけ・背景なぜ転職を考えたか(ポジティブな理由)50〜80字
② 貴社を選んだ理由競合他社ではなくこの会社を選ぶ具体的な理由80〜120字
③ 入社後の貢献意欲自分の経験・スキルをどう活かすか50〜80字

合計200〜300字が目安です(履歴書の場合は100〜150字に圧縮)。


志望動機の文例(業種・状況別)

同業種・同職種への転職(営業職)

前職では中小企業向けITサービスの法人営業を7年間担当し、顧客課題の解決に
やりがいを感じてきました。さらに規模の大きい企業への提案に挑戦したいと考え
転職を決意しました。

貴社は大手製造業への導入実績が豊富であり、業界特有の課題に精通した提案が
できる点に魅力を感じています。私のこれまでの営業スタイル(課題ヒアリング重視・
長期関係構築)が貴社のアプローチと合致すると考えております。

即戦力として貢献しながら、エンタープライズ営業のノウハウを一から学ぶ姿勢で
取り組んでまいります。(236字)

異業種・同職種への転職(事務職)

前職ではアパレル業界で総務・経理補助を5年間担当しました。業界特有の繁忙期
への対応や多品番在庫管理を通じ、正確かつスピーディーな事務処理能力を培って
きましたが、より安定した業界で長期的にスキルを磨きたいと考え転職を決意しました。

貴社はバックオフィス業務の効率化・DX推進に積極的に取り組んでおり、私の
Excel活用スキルや業務改善の経験をすぐに活かせる環境だと感じました。

まずは現場を理解しながら、業務の標準化・効率化でチームに貢献してまいります。
(218字)

未経験職種への転職(営業→マーケティング)

前職の営業活動の中で、コンテンツ施策やSNS施策によって受注に至るケースを
多く経験し、マーケティングの持つ影響力に強い関心を持つようになりました。
自学でGoogle Analytics・SEOの基礎を学び、副業でブログのPV改善に取り組んだ
経験もあります。

貴社は少数精鋭でコンテンツマーケティングを展開されており、営業現場で培った
「顧客が何を求めているか」という視点を活かしながら成長できる環境だと考えました。

未経験ですが学習意欲は高く、即戦力に近い形で貢献できるよう努力します。(236字)

転職回数が多い方(3回以上)

これまで異なる業界・職種を経験してきましたが、共通して追求してきたのは
「チームの成果を最大化するプロジェクト運営」です。各社での経験が今の自分の
強みになっていると感じています。

貴社のプロダクトマネジメントポジションでは、その多様な経験を「異なる視点を
統合してプロジェクトを前進させる力」として直接活かせると考えています。
また、スタートアップから大企業まで複数の組織文化を経験した点が、
貴社のフェーズにおいても柔軟に対応できる根拠と考えております。(220字)

避けるべきNGパターン

NG①:退職理由が「逃げ」のまま

NG例: 「現職では給与が低く、労働環境も悪かったので転職を考えました。」 OK例: 「現職での経験を通じて〇〇に挑戦したいという気持ちが強まり、転職を決意しました。」

ネガティブな退職理由は、「次の会社でも同じ理由で辞めるかも」という印象を与えます。

NG②:どの会社にも使える内容

NG例: 「御社は成長企業であり、私の能力を活かせると感じています。」 OK例: 「貴社の〇〇という事業方針と、私が前職で担当した△△の経験が直結していると感じました。」

「御社ならでは」の要素を具体的に入れましょう。企業研究が浅いと必ず見透かされます。

NG③:自分の希望しか書いていない

NG例: 「スキルアップできる環境を求めていたため志望しました。」 OK例: 「貴社の〇〇に貢献できると考え、また自分自身の成長にもつながると感じています。」

採用側は「うちに何をしてくれるか」を知りたいのです。


志望動機チェックリスト

  • 退職理由(なぜ今の会社を辞めるか)がポジティブに表現されているか
  • 「なぜこの会社なのか」が具体的に書かれているか
  • 競合他社ではなく「この会社」でなければならない理由があるか
  • 自分の経験・スキルとの接点が書かれているか
  • 入社後に何をしたいか・どう貢献するかが書かれているか
  • 200〜300字(履歴書なら100〜150字)の適切な長さか
  • 「給与」「待遇」「安定」が主な理由になっていないか
  • 企業のWebサイト・採用ページを読んだ上で書いているか

まとめ

志望動機は「自分の思い」を伝えるだけでなく、「相手(企業)の期待に応える」視点で書くことが大切です。企業研究を丁寧に行い、「なぜこの会社でなければならないか」を自分なりに言語化できたとき、初めて説得力のある志望動機が生まれます。

今回の3ステップ構成と文例を参考に、まずは箇条書きで「なぜこの会社に応募するのか」を書き出すところから始めてみましょう。

出典:ダイヤモンド・オンライン「職場で『正しいこと』を言って嫌われる人と、好かれる人の決定的な違い」(2026年)